ジェイコム男 B・N・F さんと小説「SOS の猿」

ジェイコム男 B・N・F さんと小説「SOS の猿」

「SOS の猿」(伊坂 幸太郎)という小説があります。

  • 「SOS の猿」
    • 「読売新聞」夕刊 2008 年 10 月 3 日〜 2009 年 7 月 18 日

同 41 ページより。

品質管理部へ戻ると、課長が、「五十嵐君、新しい仕事をお願いしたいんだ」と言った。

「新しい仕事ですか、部署の異動ですか」

「そうじゃない。証券会社に出向いて、聞き取りをしてほしいんだ」

「証券会社?システムトラブルですか」五十嵐真は答えながら、桑原システムが仕事をした証券会社というと、菩薩証券かもしくはトリプル証券かどちらかだ、と頭の中で記憶を整理した。

「菩薩証券だ」課長は言う。「ニュースで五十嵐君も見たかもしれない。九日前に菩薩証券が誤発注を起こした。二十分間で三百億円を失った計算らしい」

「二十分で三百億円」現実味がなかった。

「向こうはそのミスの原因を、うちのシステムのせいにしたがっているんだ。だから君が行って、調べてくれ」

そうして五十嵐真は、二十分間で三百億円が失われた原因を調べはじめるのだが、さて、どうなるかはお次の回にて。

同 56 ページより。

さて、その如意真仙課長が去り、会議室で二人きりとなったところで、牛魔王部長は、五十嵐真に話をはじめる。「十日前のことだ。朝の十時、弊社の社員、資産管理課の男性社員がシステムを使い、売り注文を出したんだが、そこで入力ミスをやらかした」

五十嵐真は手に持った手帳にペンを走らせる。牛魔王部長の説明は以下のように、続いた。

十日前、新興株式市場マザーズに、小型太陽電池を製造する企業「火焔山」が上場した。

ガソリン車ではなく、電気で駆動する自動車が普及するためには、太陽電池の性能が重要で、その太陽電池の開発を進める株式会社火焔山はそれなりに注目されている会社だった。そして、その上場した日に、「火焔山」の株をさっそく売ろうと考えた人間がいた。

「その顧客は、自分の持っている『火焔山』の株を、一株売りたい、と弊社の社員に頼んだのだ。五十万円で一株だ」牛魔王部長は苦笑する。「たった、一株だけだぞ」と念を押してくる。

「一株だけですね」五十嵐真は頭の中でたった一枚の紙切れが揺れている光景を思い浮かべた。

「なのに、だ。その社員は、五十万株売ろうとしたんだよ。一株のはずが五十万株だ」

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