ジェイコム株の誤発注と失敗学

ジェイコム株の誤発注と失敗学

「失敗学のすすめ」などの著書で知られる東京大学大学院工学系研究科の畑村 洋太郎教授は、「失敗」を以下のように定義しています。

人間が関わって行うひとつの行為が、はじめに定めた目的を達成できないこと

つまり、失敗には次の 2 つのキーワードがあり、「自然災害」とは区別されます(自然災害でも、「人災」は失敗)。

  1. 人間が関わっている
  2. 望ましくない結果

更に、失敗の原因を 10 個に大別しており、最後の「未知」を除き数字が大きくなるほど高度な判断ミスです。
実際の失敗は、これらの複合であることが多くなります。

  1. 無知
    • 予防策や解決法を知らなかった
  2. 不注意
    • 十分に注意していれば防げた
  3. 手順の不順守
    • 約束事や商習慣を守らなかった
  4. 誤判断
    • 状況を正しく認識しなかったり、認識しても判断を間違えたりした
  5. 調査・検討の不足
    • 十分な調査・検討をしなかった
  6. 制約条件の変化
    • 当初の制約条件が時間の経過と共に変化した
  7. 企画不良
    • 企画や計画そのものに問題があった
  8. 価値観不良
    • 価値観が、周囲と異なっていた
  9. 組織運営不良
    • 組織自体が、きちんと物事を進めるようになっていなかった
  10. 未知
    • 世の中の誰もが知らなかった

ジェイコム株の誤発注そのものは 2 の「不注意」に当たり、初歩的な失敗であることが分かります。

しかし、付随して露見した失敗は次のように分類されるでしょう。

  • 東証のシステム不具合(誤発注を取消せなかった)は 5 の「調査・検討の不足」
  • みずほ証券の発表の遅れは 8 の「価値観不良」

また、畑村教授は失敗情報には以下のような特徴があるとしており、ジェイコム株の誤発注にも当てはまります。

  • 失敗情報は伝わりにくく、時間が経つと減衰する
  • 失敗情報は隠れたがる
  • 失敗情報は単純化したがる
  • 失敗情報は変わりたがる
  • 失敗情報は神格化しやすい
  • 失敗情報はローカル化しやすい
  • 客観的失敗情報は役に立たない
  • 失敗は知識化しなければ伝わらない

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