証券市場基盤整備基金

証券市場基盤整備基金

日本証券業協会(日証協)は証券会社に対して、みずほ証券のジェイコム株の誤発注で得た利益を返上するように要請しました。

ジェイコム株の大量保有報告書で判明した 6 グループだけでなく、全証券会社が対象になっています。

返上は「強制的ではなく自主的に」ということでしたが、各証券会社は以下のような思惑もあり、応じています。

  • 与謝野 馨金融担当相(当時)が「美しくない」と批判した
  • 「火事場泥棒」との世論が大きかった
  • 利益返上に応じないと、金融当局の監督が強化されるかもしれない

ただし、法律に違反した訳でもないのに利益を返上すると、以下のような問題もあります。

  • 返上した利益は、税制上どうなるのか
  • 株主代表訴訟になりかねない
  • 外資系の場合、外国本社に説明できない

多くの証券会社では、割高や割安の銘柄をコンピューターがプログラムに基づいて自動売買することもあり、「美しくない」や「火事場泥棒」との指摘は不適切な面もありました。

個人投資家は日証協とは関係がないため、利益返上の対象ではありません。
一方、証券会社と利益を分配する契約ディーラーの場合は、証券会社が返上すると自分の報酬も削られる可能性が高いものと思われます。

返上された利益は当初、日本投資者保護基金(証券会社が破綻して資産が返還されない顧客に 1000 万円を上限に補償する制度)に拠出する案もありました。

しかし、既に十分な資金があり、証券会社と顧客の資産の分別管理もかなり徹底しているので、「証券市場基盤整備基金」が新設され、システム障害や大規模災害に備えたバックアップ・システムの構築などに活用されることになりました。

この基金には、証券 50 社から 209 億円が集まりました。

基金に 1 億円以上拠出した証券会社
証券会社 拠出額
UBS 120 億円
クレディ・スイス・ファースト・ボストン 33.38 億円
モルガン・スタンレー 11.46 億円
日興シティグループ 10.20 億円
東海東京 4.1 億円
リーマン・ブラザーズ 3.9 億円
野村 3.4 億円
ゴールドマン・サックス 2.53 億円
岡三 2.4 億円
安藤 2.04 億円
大和証券 SMBC 2 億円
三木 1.95 億円
1.5 億円
新光 1.09 億円
コスモ 1 億円
三菱 UFJ 1 億円

いちよし証券は、ジェイコム株の自己売買で得た 400 万円弱を環境保護などの 4 団体に寄付することを発表しました。

リンクはご自由にどうぞ。以下をご利用下さい。
<a href="http://www.erroneous-order.com/">株式投資や為替取引のリスクマネジメント</a>
<a href="http://www.erroneous-order.com/facilities/051208/index.html">みずほ証券によるジェイコム株の誤発注</a>
<a href="http://www.erroneous-order.com/facilities/051208/fund.html">証券市場基盤整備基金</a>