ライブドア・ショックとマネックス・ショック

ライブドア・ショックとマネックス・ショック

マネックス証券は、ライブドアの強制捜査翌日の 2006 年 1 月 17 日午後、以下のライブドア関連 5 社の株式について、信用取引の担保評価を株価の 70 〜 80 % から当面 0 % にすることを発表しました。

  • ライブドア
  • ライブドアマーケティング
  • ライブドアオート
  • ターボリナックス
  • ダイナシティ

マネックス証券広報部によると「強制捜査を受けて、与信管理上の判断で停止した」とのことで、他の証券会社の追随が予想され、実際に岩井証券がライブドアとライブドアマーケティングの掛目を 0 としました。

上記 5 社の株を担保に信用取引を行っていた投資家が、追証回避のために一斉に投売りを始めたことで 18 日に掛けて売りが売りを呼び、日経平均株価の 17 日の高値 16324.17 円と 18 日の安値 15059.52 円の差は、1264.65 円 (7.75 %) にもなりました。

更に、売買高と注文件数が急増して、東京証券取引所の処理能力の限界に迫ったため、通常 12:30 - 15:00 の後場は 14:30 に終了しています。

ライブドア・ショック前後の日経平均株価(上段)と TOPIX(下段)
日付 始値 高値 安値 終値 備考
2006/1/16(月) 16360.04 16387.63 16221.59 16268.03 大引後、強制捜査
1673.79 1682.23 1661.64 1670.15
2006/1/17(火) 16152.07 16324.17 15805.95 15805.95 後場、マネックス証券が担保評価を 0 に
1659.00 1677.91 1629.41 1631.61
2006/1/18(水) 15725.64 15725.64 15059.52 15341.18 東証、後場を 12:30 - 14:40 に
1622.00 1622.28 1538.85 1574.67
2006/1/19(木) 15396.60 15740.82 15396.60 15696.28 東証、後場を 13:00 - 15:00 に
1576.60 1623.42 1576.60 1620.29
2006/1/20(金) 15847.17 15875.39 15597.77 15696.69 東証、後場を 13:00 - 15:00 に
1637.84 1644.49 1612.61 1624.39
2006/1/23(月) 15497.61 15564.90 15312.71 15360.65 東証、後場を 13:00 - 15:00 に
大引後、ライブドアの堀江 貴文社長ら逮捕
1603.70 1614.11 1585.90 1587.90
2006/1/24(火) 15470.91 15685.14 15470.39 15648.89 東証、後場を 13:00 - 15:00 に
1599.83 1615.85 1599.57 1612.43
2006/1/25(水) 15725.76 15849.52 15651.00 15651.00 ライブドア株、6 営業日ぶりに売買成立
東証、後場を 13:30 - 15:00 に
1620.82 1636.83 1618.23 1618.46
2006/1/26(木) 15783.70 15891.02 15764.89 15891.02 東証、後場を 14:00 - 15:00 に
1631.51 1643.46 1631.51 1643.29

リテラ・クレア証券の井原 翼投資情報部長は、「まだ捜査の段階で担保評価を 0 にするのはやりすぎだ」とマネックス証券の判断を批判しました。

同様に、一部の投資家は一連の株価急落を「ライブドア・ショック」ではなく、「マネックス・ショック」と表現しています。

与謝野 馨金融担当相も 19 日に、「担保価値をどうするかは証券会社の判断であり、制度上は問題ない」とする一方、「証券会社は、投資家を大切にする姿勢で経営してほしい。大切にしない会社は、いつか投資家に捨てられる」と述べました。

これに対して、マネックス証券は以下の発表を行いつつ、ライブドアオートの担保評価を元に戻しました。

2006年1月19日
マネックス証券株式会社
代表取締役社長CEO 松本 大

与謝野金融担当相の発言に関して

今回の、ライブドア関係5社の株式に対する信用取引の代用有価証券掛目の変更については、当社の個別の経営判断に関することですので、対外的な正式コメントを控えておりましたが、与謝野金融担当相が本件について言及したとの報道がありますので、当該発言についてコメント致します。

当社は、株式市場の重要な担い手の一つである証券会社として、また上場企業であるマネックス・ビーンズ・ホールディングス株式会社の100%子会社として、その株主価値を守る責務があります。
信用取引に於ける与信行為は、株式を担保に、お客様に金銭を貸与することです。
個別の経営判断として特定の株式の代用有価証券としての担保価値の評価が困難になったと総合的に判断される場合に、その担保掛目を下げることは、経営の選択肢の一つであると考えております。

次に、当社の判断として市場にそのような状況が発生した場合には、当社のお客様である個人投資家の利益を守る為に、早期の注意喚起を行うことは、証券会社としての責務だと考えております。

更に、当該特定銘柄の代用有価証券掛目を引き下げた際の、市場全体に対する影響を検討し、特に大きな影響はないものと判断致しました。

以上のことを総合的に勘案し、当該5銘柄の代用有価証券掛目の引き下げを早期に決定し、即日実施とし、お客様に通知致しました。
なお、当該5銘柄については、取引所に於いて取引が再開し、流動性が回復するなどの状況を総合的に検証し、順次、代用有価証券掛目を見直しております。

なお、当社による5銘柄の代用有価証券掛目の引き下げと、ここ数日間の市場全体の株価変動との間には、因果関係があるとは考えておりません。

マネックス証券のメールマガジンでは、松本 大 CEO が最後に編集後記のようなものを書いており、19 日分には以下のようにありました。

From: マネックス証券 <monexmail@monex.co.jp>
Date: 2006.01.19 20:51:29 Asia/Tokyo
To: xxx
Subject: マネックスメール<第1585号 2006年1月19日(木)夕方発行>

 (中略)

=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-
5.マネックス証券CEO 松本大のつぶやき
=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-

 1月19日    <判断>

当社の行った経営判断が、世間で大きく取り上げられています。
如何なる理由であっても、多くの方に憤りの気持ちや、不安な気持ちを持たせてしまっていることにつきましては、大変心苦しく思っております。
申し訳ございません。
経営判断は、あくまでも個別の経営判断ですから、敢えてコメントは差し控えて参りましたが、本日、与謝野大臣が本件について発言されたようなので、当社の考えを公表させて頂きました。

私共は、上場企業(正確には上場企業の100%子会社)として株主価値を守らなければいけないという使命と、証券会社としてお客様である個人投資家の利益を守らなければいけないという使命と、そして市場の参加者として健全な市場の発展と維持に努めなければいけないという使命を負っています。
公表文の中に書いてある通り、私共は誠実に真摯にこれら使命を果たそうとして行動しています。
私共の意図を御理解頂けるように努力を重ね、また今後適宜、適切な判断をするように努めて参ります。
何卒よろしくお願い申し上げます。

(尚、当社に金融庁が事情聴取を行った旨の報道がなされておりますがそのような事実はございません。)

 (後略)

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